【要約・まとめ】「予想通りに不合理」を読んで

昨日、こちらの本を読みました。

こちらの記事では、
本書についての要約や、誰向けの本なのか?、本書から得られる学び 等について紹介していきたいと思います!

下記のような疑問が解決できれば、と思っています。

「なんか名前は聞いたことあるけど、どういう内容なの?」
「私が読むべき本なの?」
「どういう学びが得られるの?」
 

超簡単な書籍紹介

この本を一言で説明すると、

人間が経済活動において、まったく合理的な選択ができない、ということが理解できる本になっています!

本書の構成は非常にシンプルで、
1章~15章までひたすら、私たちの非合理的な選択の事例について論じられています。

また、ユーモアのある文体が特徴で、
人によっては、煽られていると感じるかもしれませんが、思わず笑ってしまうような場面もあり、読みやすいです。

どんな方にオススメなのか?

・「人間が非合理な選択をしてしまう」というフレーズが気になる方
・営業・マーケターの方
・自分の消費活動に対して、批判的になりたい方

これらの方にオススメかと思います!

著者の方の紹介

ダン・アリエリー(Dan Ariely、1967年4月29日 - )は、イスラエル系アメリカ人で心理学行動経済学の教授。[1] デューク大学で教鞭を執っており、デューク大学先進後知恵研究センター(The Center for Advanced Hindsight)の創設者[2]BEworksの共同創業者でもある。アリエリーがTEDで行ったプレゼンテーションは780万回以上閲覧されている。彼はまた『予想通りに不合理』(Predictably Irrational)『不合理だからすべてがうまくいく』(The Upside of Irrationality)の著者であり、これらの2冊は『ずる 嘘とごまかしの行動経済学』(The Honest Truth about Dishonesty)とともにニューヨーク・タイムズにおけるベストセラーになっている。

Wikipediaより引用

17歳の時に、全身の70%に大やけどという壮絶な経験をしています。

その後、
自らの治療の痛みを軽くできるのではないか、という研究を行います。

例えば、
やけどの肉が張り付いてしまっている包帯を、看護師がはがすときに、
勢いよく短時間で済ませるのと、じっくり長い時間でかけるのとでは、実は時間をかけて行ったほうが患者への負担は少ない
ということが、わかりました。

その経験から、看護師ほど医療のスペシャリストでも、
特有の先入観が邪魔をして、患者の痛みを正しく認識できていないのだと気づきます。

このことから、
他の人も同じように自分の行動の結果を取り違えたり、判断を誤ったりするのではないか?
経験を積んでも、そこから学ぶことなく失敗を繰り返してしまう状況(不合理)について研究を進め、本書が執筆されました。

目次

1章 相対性の真相
2章 需要と供給の誤謬
3章 ゼロコストのコスト
4章 社会規範のコスト
5章 無料のクッキーの力
6章 性的興奮の影響
7章 先延ばしの問題と自制心
8章 高価な所有意識
9章 扉をあけておく
10章 予測の効果
11章 価格の力
12章 不振の輪
13章 わたしたちの品性について その1
14章 わたしたちの品性について その2
15章 ビールと無料のランチ

得られる学び

1章~15章まで異なる事例が論じられているため、
それぞれの章をいくつか取り上げ、どのような学びが得られるか、
内容を要約しながら解説していきます。

1章 相対性の真相 なぜあらゆるものは、そうであってならないものまで、相対的なのか

ここでは、
比較対象自体は変わっていないのに、「おとり選択肢」によって実際には結果が変わってしまう。
ことについて解説がされています。

下記は、本書中で取り上げられているテストの1つです。

「エコノミスト誌の定期購読の案内」3つのプラン

①ウェブ版だけの購読(59ドル)
②印刷版だけの購読(125ドル)
③印刷版とウェブ版のセット購読(125ドル)

Q.大学生100人に、どのプランがよいか選ばせたら、一番人気はどれか?

結果は、下記でした。

「エコノミスト誌の定期購読の案内」3つのプラン

①ウェブ版だけの購読(59ドル)16人
②印刷版だけの購読(125ドル)0人
③印刷版とウェブ版のセット購読(125ドル)84人

Q.大学生100人に、どのプランがよいか選ばせたら、一番人気はどれか?

なるほど。
②と③を比較すると、金額が同じなのに、
③は印刷+ウェブの両方で購読ができて、破格のプランのように思えます。

その結果がこの人数ということでしょう。

もう一度、テストです。
少しだけ条件を変えます。

「エコノミスト誌の定期購読の案内」2つのプラン

 

①ウェブ版だけの購読(59ドル)
②印刷版とウェブ版のセット購読(125ドル)

Q.大学生100人に、どのプランがよいか選ばせたら、一番人気はどれか?

変更点は、②の印刷版のみのプランがない点です。
もともと②を選択した学生はいなかったのですから、
先ほどと結果は変わらないはずですね。

しかし、結果は下記でした。

「エコノミスト誌の定期購読の案内」2つのプラン

①ウェブ版だけの購読(59ドル)68人
②印刷版とウェブ版のセット購読(125ドル)32人

Q.大学生100人に、どのプランがよいか選ばせたら、一番人気はどれか?

選択肢を1つ削っただけで、
結果が大きく変わり、①のウェブ版のみの購読が最も人気となりました。

このように、
もともとあった②がおとりの選択肢として、③を引き立てたことによって、
125ドルのプランに申し込む学生を増やすことに成功していました。

相対的に比較するということは、一見合理的な賢い選択のように思えますが、
比較を誤ると、本来自分がしたかったこと、の判断を誤ってしまう
のです。

本来したかった選択は何なのか?
重要な場面ほど、自問自答することが必要だと思いました。

2章 需要と供給の誤謬 なぜ真珠の値段は、そしてあらゆるものの値段は、定まっていないのか

下記は、本書中で紹介されていた、ある宝石商の話です。

1973年ある日のこと、アセールという真珠で成功した男が、タヒチの黒真珠販売を始める。
最初は、品質が悪すぎて(鉄砲玉のようだった)、ひとつも注文が取れなかった。
やめるか? ディスカウントショップでうっぱらって損切りするか?
1年辛抱して、より品質の高い黒真珠を待った。。
ダイヤモンド、ルビー、エメラルドをあしらったブローチとともに光り輝く広告をデカデカと出す。
セレブにバカ売れ。

ここで重要なのは、
価値のはっきりしなかったものを、超高級品に変えてしまったということです。

一度、ディスカウントショップで販売していたら、
これは、私の考えですが、普通のパールのグレードダウンのような扱いをされていたと思います。

一度、数字や相場が認識されると、価値はそれが基準となります。
最初の決断が後々まで響く、ということを意識して十分な注意を払うべき、と学びました。

3章 ゼロコストのコスト なぜ何も払わないのに払い過ぎになるのか

無料!という言葉を見ると、無条件にお得だと感じてしまう。

無料!なのだから、無条件にお得でしょう?」と思うかもしれません。
実は、無料!の魔力に引き寄せられて、判断を誤ってしまうことがあるのです。

リンツのトリュフ と ハーシーのキスチョコの実験

・2種類のチョコを販売
①リンツのトリュフ
高級チョコ、まとめ買いすると1個30セントほど。15セントで販売。

②ハーシーのキスチョコ
ありふれたチョコ。1セントで販売。

・結果
トリュフが73%購入され、キスチョコが27%購入された。

まず、こちらの実験結果を頭に入れてください。

次に、別の実験をします。
上記の実験と比較対象になる実験です。

変更点は、トリュフとキスチョコを、それぞれ1セントずつ値下げするだけです。

ともに値下げ額が同じなのだから、
結果は変わらないはずですよね?

リンツのトリュフ と ハーシーのキスチョコの実験

・2種類のチョコを販売
①リンツのトリュフ
高級チョコ、まとめ買いすると1個30セントほど。14セントで販売。

②ハーシーのキスチョコ
ありふれたチョコ。無料!で販売。

・結果
トリュフが31%購入され、キスチョコが69%購入された。

結果が大きく変わりました。

1セントずつ値下げしたのになぜ?という感じですが、
本書では、何かが無料になると、「失敗しても、どうせ無料なんだから」と悪い面を忘れることができる、と論じられています。

値段ゼロには、単純な値下げ以上の価値があります。
無料!は手持ちのエースなのだと意識することが大切です。

7章 先延ばし問題と自制心 なぜ自分のしたいことを自分にさせることができないのか

ダイエットをする…貯金をする…と決めた1週間後には、
やっぱ明日からとか言ってチョコレートケーキを食べたり、
適当な理由をつけて散財してみたり、
なぜ、私たちは我慢できないのでしょうか?

成績優秀クラスのテスト

3クラスの課題提出の期限について、
それぞれ異なる、期日設定の方法をとる。
1日遅れることに、成績をマイナス1%し、どのクラスが最も成績優秀かのテスト。

①自分で課題提出期日を設定し、報告するグループ
②教授が締め切り日を設定するグループ
③講義の最終日までであれば、いつでも出してよい、とするグループ

結果は、
②→①→③ の順で成績がよかったようです。

誘惑に打ち勝つ最大の方法は、他人に目標設定してもらうことですが、
自分で設定をし、周りに周知することも、比較的効果があります。

8章 高価な所得意識 なぜ自分の持っているものを過大評価するのか

何か、物を売ろうとする人が、
買い手よりもその物の価値を高く評価するのは、なぜなのかでしょうか?

下記の理由があるだろうと、本書では論じられています。

1.自分がすでにもっているものにほれ込んでしまうこと。
(思い出の暖かい幸福感)

2.手に入るかもしれないものより、失うかもしれないものに注目してしまうこと。
(例えば、愛車を売るときに売ったお金で何が買えるか、よりもたいていは愛車に乗れなくなることに注目する)

3.他のひとが取引を見る視点が違うということを理解できていない。
(買い手は、思い入れとかない)

これに対する有効な対処法は、難しいですが、
あえて、自分と目的の品物のあいだにある程度の距離をおくこと。
できるだけ、自分が非所有者であると考えること。

だとしています。

13章 私たちの品性について その1 なぜ私たちは不正直なのか、そして、それについて何ができるか

従業員による職場での盗みや詐欺は、
年間およそ6000億ドルにおよぶと推定されているようです。

これは、
強盗、押し込み、窃盗、車の盗難を合わせた被害額(2004年の合計は160億ドル)より劇的に大きいです。

なぜ、私たちは、
バレない程度の小さなごまかしをしてしまうのでしょうか?

足すと10になるふたつの数字を探す計算テスト

 

複数の数字のなかから、足すとちょうど10になるふたつの数字を探す。
5分間にできるだけ多くの問題を解いた後、くじに登録する。
くじに当選した人は、正当1問につき10ドルの賞金を受け取る。

・3パターンの受検者
①テスト用紙をそのまま試験監督に渡す。
②ほかの紙に正答した問題の数を書いて、もともとのテスト用紙は破棄する。(不正できる)ただし、試験前に高校時代に読んだ10冊の本を思い出す。
③ほかの紙に正答した問題の数を書いて、もともとのテスト用紙は破棄した(不正できる)ただし、試験前に十戒を思い出して書いてもらう。

十戒については、複雑なので下記を参照してください。
ただ、この実験の本質とは、それほど関係ないです。

モーセの十戒 - Wikipedia

③の人たちに対して意図したのは、
要は、不正をする前に、道徳的なことについて、真剣に思い出すということが、
不正に対して、どんな影響を及ぼすのか、
ということです。

結果、
正答率は、①が平均3.1問、②が平均4.1問、③が平均3問でした。

③のグループは、不正ができる環境だったにも関わらず、
不正ができないグループと正答率が同じという結果です。

つまり、
人々はチャンスがあればごまかしをするが、いったん正直さについて考えだすと、ごまかしをやめます。

そのため、不正直が働きたくなったときのために、
自分の正直さの糧となるような考え方を、何かひとつ持っておくといいのかもしれません。

14章 わたしたちの品性について その2 なぜ現金を扱うときのほうが正直になるのか

缶コーラの消滅実験

 

学生寮の共有冷蔵庫に、6本パックの缶コーラ(買うと1ドルくらい)をなかに忍ばせておく。
と同時に、6枚の1ドル札を載せた皿も置いていった。
どちらが早く消滅するか?

結果
缶コーラは、72時間以内にすべてなくなった。
一方で、1ドル札については、72時間後もそのままだった。

このことから見える疑問として、下記があげられます。
お金が絡んでいない不正行為は行えるのに、お金が絡むとなぜできないのか?

もう1つテストです。

足すと10になるふたつの数字を探す計算テスト
複数の数字のなかから、足すとちょうど10になるふたつの数字を探す。
5分間にできるだけ多くの問題を解くと、正答数×50セントを手にできる。

3種の実験者パターン
①テスト用紙をそのまま試験監督に渡す。
②正答数のみを実験者に伝え、もともとのテスト用紙は破棄する(不正できる)
③ほかの紙に正答した問題の数を書いて、もともとのテスト用紙は破棄した(不正できる)
加えて、景品が50セントの現金ではなく、50セントと交換できる引換券とする。

結果は、
①の平均正答数は3.5問。②は、6.2問。③は、9.4問となりました。

これらのこと等から、
交換の媒体がお金でないとき、正当化の能力は飛躍的に増加する。
と論じられています。

電子決済化が進んでいる今、
現金から一歩離れたとたん自分では、想像できないほどの不正をしてしまうのだ、と自覚しなければなりません。

いかがでしたでしょうか?

ここまで見て、もっと読んでみたいと思った方は、
ぜひ、本書を読んでみてください。

また、この方が出版している本は、
他にももありますので、既に読了済みの方はこちらもいかがでしょうか。

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